ドル/円相場は、79円台を中心にやや上値の重い展開になっている。19~20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)開催を控える中、量的緩和第3弾(QE3)を筆頭とした追加金融緩和期待が、ドルの上値を圧迫している。14~15日には日銀金融政策決定会合が開催されたが、特にドル/円相場見通しに影響を及ぼすような動きは見られなかった。
低調な米経済指標の発表が続く中、マーケットはQE3の催促相場と化している。7日の議会証言では、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は早期の追加緩和政策を必ずしも支持しなかったが、マーケットはもはやQE3導入は必至との見方に傾き始めている。ただ、実際にはツイスト・オペの延長など小規模な緩和策に留まる可能性が高いとみており、FOMC後はドルのショートカバーに注意が必要だろう。実際にQE3の導入があれば、一段とドル安・円高が進む可能性が高いが、17日のギリシャ再選挙で同国の政局不安が後退していることもあり、短期的には寧ろドルショートの巻き戻しを警戒すべき局面と考えている。これは、改めてドルの戻りを売り込む好機になろう。
日銀金融政策決定会合であるが、景気判断を「緩やかに持ち直しつつある」と一歩前進させたうえで、現行の政策維持を全員一致で決定した。資産買い入れ基金を増額した効果を見極めるスタンスになる。もっとも、消費者物価指数の前年比+1%が見通せない状況が続く中、7月11~12日の次回会合では、追加金融緩和に踏み切る可能性が高い。特に、20日のFOMCで何らかの動きが見られれば、日銀に対する追加緩和圧力が強まるだろう。ただ、FOMCの後追いを続ける限りは、円サイド主導でドル高・円安トレンドに転換することは難しいとみている。
今後1週間の予想レンジは、78.50~80.25円。